柴崎便り

毎月1度柴崎からの便りです。

2018年12月号


早いもので、2019年も師走となりました。

 そして、平成最後の年末年始となるわけです。

 私は昭和の生まれですが、

  子どもの頃、明治生まれの祖母が、明治、大正、昭和と

 3つの元号のもとで生きていることに
 
 何とも言えない驚きを感じたことを覚えています。

 まさか、自分が3つの元号のもとで生きることになるとは

 思ってもいませんでした。

 さて、どんな元号になるのでしょうか? 
    


 ● 新しい年
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 何かとせわしなくなる年末ですが、

 時間は変わらずに一定のスピードで過ぎ去っていきます。


 ギリシャ神話では、時の神はクロノス。

 クロノスは、ティターン神族の長であり、

 父ウラノスの性器を切り落として追放しました。

 しかし、自分の子どもたちに権力を奪われるという予言を受けていたため、

 生まれてくる子供を次々に飲み込んでいます。

 息子のゼウスが生まれた際に、

 妻であるレアーが、代わりに岩を飲み込ませてゼウスを救い、

 のちにゼウスが呑み込まれた兄弟たちも救ったという神話が残されています。
 

 こういった神話は、のちに3匹の子ブタや、しちひきの子ヤギ、

 赤ずきんちゃんなどに、そのモチーフが使われていますね。
 

 さて、農耕の神であるクロノスは、

 同時にタネをまき育て収穫するという時間の流れを象徴しますから、

 「時の神」でもありました。


 しかし、時の神はもう一神「カイロス」がいます。

 同じ時でも、クロノスの「時間」とは異なる「時」の神です。


 クロノスの時は、正確に刻まれ、その時を特定できる時間、

 たとえば今日は2018年12月7日何時何分何秒、、、と言った具合です。


 カイロスの「時」は、特定できない時間。

 たとえば、「恋に落ちたとき」とか、「閃いた瞬間」などの「とき」です。


 違いを明確にするためにクロノスの時間を漢字で「時」

 カイロスの時間を平仮名で「とき」と表現します。



 
 ● 過去から未来へ、そしてその瞬間
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 年齢を重ねるのは、確かな時間の刻みの結果です。

 過去から未来へと一定して機械的に流れていく時間を意識すると、

 「時の流れは速いなぁ、、、、」と実感します。


 しかし、「今」と言う瞬間には、

 過去から未来へと流れる方向性はありません。

 今は永遠に今であり続けるのです。

 「いま、ここ」は禅でよく使われる言葉ですね。


 現代社会は、昨日より今日、今日よりも明日と、

 右肩上がりを求められているような感じがします。

 自分にもそれを求めることが多いでしょう。

 みな、幸せになることを目指して頑張ります。


 でも、幸せは、未来にあるわけではなくて、

 味わえるのはいつも今だけであることは、よく考えればわかることですね。


 明日のことで期待に胸膨らませても、

 それを味わえるのは明日になってからだし、その瞬間でしかないわけです。  



 
 ● 扉を開く
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 過去に囚われ、未来に思いをはせたとしても、

 私たちの生きる場所は「いま、ここ」にしかありません。


 ずいぶん前の私のブログにも書いた覚えがありますが、

 禅の言葉に「一行三昧(いちぎょうざんまい)」

 と言う言葉があります。


 無心になる、無心にやる、と言ったような意味でしょうか。


 無心に取り組んでいると、

 クロノスの時間はあっという間に過ぎ去っていますが、

 そこにとどまっている間は、その時間の早さは感じません。

 今この瞬間と言う時間は、

 永遠と言う言葉に置き換えることができるかもしれません。


 人生に与えられた時間は有限です。

 年を重ねると、ますますそれを実感します。


 だからこそ、永遠の時間である「今を生きる」ことを

 今まで以上に大切にしようと思うのです。

 そして、今この瞬間にこそ、「気づきの扉」があるのです。


 そういえば、カイロスはその姿にも特徴がありました。

 前髪しかないのです。

 「チャンスの神様は前髪しかない」と言われる、あれ、です。

 好機を逃すな、と言う意味なのでしょうが、

 常に、最高の時があるとしたら、それは過去でも未来でもなく、

 「今、ここ」にあるということなんですね。


 新しい年、新しい生き方、を、

 新しい元号のもとで始めていきたいものです。


2018年12月8日柴崎嘉寿隆

2018年11月号


   最後の台風が過ぎ去って、本格的な秋を迎えました。

 最近は、窓越しに見える富士山も、

 その稜線をくっきりと見せてくれます。

 台風の代わりにやってきたのが、風疹。

 冬に向けて、インフルエンザも心配ですね。

 私たちは、常に何かを警戒し、それと直面することを恐れます。

 きょうは、人間の恐れと不安について  


 ● 恐れとは何か
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 人間にはいろいろな感情があります。

 怒り、悲しみ、喜び、そして、恐れ。

 感情を表す言葉はたくさんありますが、日常ではあまり使わないですね。

 私のクラスでも、「それはどんな感情ですか?」と尋ねると、
 
 なかなか答えられない人は多いようです。

 それでは恐れとは何か?どんな時に感じるものなのか?

 みなさんはどんな時につきあっていそうですか?

 日常では「こわい」と言う表現になるかもしれません。
 
 
 ● 適切な感情
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 「父親が怖い」

 「お化け屋敷が怖い」

 「女性が怒ると怖い」

 などと、「こわい」をいろいろなシーンで使います。

 精神科医のキューブラーロスは、その著作の中で、

 「恐れは、命を脅かされたときに味わうもので、それは神から与えられたもの」

 と記しています。

 すると、先の例のどれも、適切な表現とは言えないのかもしれません。

 もちろん、命の危険があったのであれば適切な感情と言えるでしょうが。


 幼いころに、「死について」考えることがあります。

 おそらく誰にも経験があることでしょう。

 「死んだらどうなってしまうのか」と幼いころに考え始めると

 怖くて仕方がなかったことを覚えています。

 とはいうものの、大人になった今でも、

 「死に直面」したら誰だって怖いのです。


 
 ● 闇の恐怖
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 その中で、特に普遍的と言えるのが、「闇への恐怖」。

 誰もが光を好み、闇を遠ざけようとします。

 ユングは、深層心理を探求し始めた当初、自我と言う光に対して、

 人間が認識できない無意識をすべて「影」と表現しました。

 現実にある闇だけでなく、私たちは皆、

 自分の見えない心に対しても恐れを感じてしまいます。。


 「自分を知る」と言うことに興味があっても、

 「それを知ることへの一種の恐ろしさ」もあると言うことでしょう。

 それだけ、「闇」や「陰」に対する興味もつきません。


 自分のうちに存在するもう一人の自分

 このテーマは、ファンタジー作家であるル・グインが

 「ゲド戦記」の中で見事に書き上げています。

 人間成長の課題の一つは、この恐怖から逃げるのではなく、

 その「恐怖に立ち向かうこと」なのですが。。。

 もちろんそれは戦うためではなく、

 それと統合していくためなのですが、簡単なことではありません。

 
 いま、あなたが最も恐れていることは、なんでしょう?

 いつか、それに立ち向かわなければならないときが来るかもしれません。

 そのときは、逃げずに「立ち向かう」ことを、頭の片隅においてきましょう。


    2018/11/5 柴崎嘉寿隆

2018年10月


  先月のニュースで、

 メールでは台風21号と北海道胆振地方の地震の被害について
 
 お知らせしましたが、自然災害は待ったなし。

 また、台風24号、千葉沖や茨城沖の地震が報道されました。

 大きな被害がなかったのが幸いですが、
 
 またいつ何が起きるのか、見当もつきませんね。

 真夜中に、(久々に)スマホの警報が鳴りだしたことに

 驚かれた方も多かったのではないでしょうか。
 
 災害時のためにいろいろと準備をし、

 備えが万全だとしても、最後に頼りになるのは自分自身です。

 自分を育てることに終わりはありません。

 そして、私はそれこそが「生涯の一番大事な仕事」なのではないかと思うのです。
 



 ● 親子問題
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 先日、旺文社さんによる

 『親が知っておきたい大切なこと 自分で解決できるようになる友達関係』

 と言う本が出版されました。

 編集者の山野さんからお声がけいただき、監修をさせていただきました。

 小学生中学年にもなると、子どもとうまくコミュニケーションが取れないと

 嘆くお母さんたちがとても多いようです。


 何を聞いてもろくに答えてくれなかったり、隠し事がどんどん増えていく。

 答えてくれたとしても、面倒くさそうに返ってくる。

 そんな様子についイラだって、関係性がもっとまずくなってしまう。

 親子とはいえ、家庭内のもやもやは、すっきりとしない大問題ですね。

 子どもをなんとかしたい、と言うお母さんに、

 ユングはこんなことを言っているようです。


 
 ● 自分育て
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 カール・G・ユングは、スイスの精神科医であり、
 
 分析心理学の創始者と言われています。

 クエストは、ユング派のアートセラピーを提供しています。


 「子どもたちのことで、何かを直してやろうとするときには、

  いつでもそれは、むしろ我々の方で改めるべきことではないかと、

  まず注意深く考えてみるべきである」


 どうですか?

 これは、親だけに限らずに、

 上司と部下

 先生と生徒

 先輩と後輩

 監督、コーチと部員

 などなど、あらゆる、教育や指導にかかわりのある人たちに

 言えることではないでしょうか?


 大事なことは、上に立つものとして、

 何かを教える前に、自分を育てることが最重要課題になるということです。


 
 ● 講演会と親ゼミナール
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 本の出版と監修を記念して、講演会を開催しました。

 満員御礼で、もう一度11月7日再度開催することになりました。

 皆さん、とても熱心に参加されていて、

 「子どもの教育」への関心が高いことを改めて実感しました。


 今月後半から、お母さんたち向けの勉強会として、

 「親ゼミナールも(全5回)」も開催します。
  Http://questnet.co.jp/information/14704/

 「教える者」として知っておきたい、かかわり方を学ぶ親向けのゼミです。

 「子どもが思うように答えてくれない」のは、質問や詰問、

 あるいはコントロールになっているからかもしれません。

 そんな時に効果的なかかわり方は、「問いかけ」です。

 ほかにも、いろいろなテーマで勉強会を開きます。

 時間のある方はどうぞいらしてください。

 お待ちしています。



 2018/10/5  柴崎嘉寿隆

 

2018年9月


  台風21号の猛威が、関西圏を襲い

  その復旧もままならないうちに、北海道胆振(いぶり)地域の大地震。

 このニュースメールをお読みいただいた方は、

 大きな被害には遭遇しなかったのかもしれませんが、
 
 くれぐれもご注意くださいますよう。


 また、被害にあわれた方々には、少しでも早い復旧をお祈りいたします。


 神は、「越えられない試練は与えない」と言いますが、

 これだけ続くと、私たちが今受け止めなければならない「何か」

 を考えざるを得ません。
 



 ● 心のケア
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 私は、30年来、北海道で子どもたち向けの夏のセミナーを行っています。

 そのご縁もあり、今回の地震後、多くの方々と連絡を取りました。

 幸い、みなさん冷静で、直接の被害はなかったようでした。

 それでも、実際の被害状況は、刻々と報道されてきています。


 2011年の東日本大震災の時もそうでしたが、

 災害後の心のケアは欠かせません。

 欠かせないのですが、そういった事はどうしても後回しになりがちです。


 まずは生き抜くためのサポート。その後に、ようやくセラピーが求められます。


 私たちセラピーに携わる者たちは、注意深く見守りながら、

 いつでもその機会があれば動く準備をしています。

 それでも、まだ日本ではセラピーになじみがないし、

 クリニカル(臨床)セラピストが少ないのが現状です。



 
 ● 広がる臨床アートセラピー
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 クエストでは、約20年に渡って、

 アートワークを主体とするセラピーの講座を提供してきています。

 活動先も増え、多くの卒業生が、

 アートワークセラピストとして現場を続けてくれています。

 また、海外でしか取得できなかったアートセラピーのディプロマも、

 クエストが提供する講座で取得が可能になりました。

 その影響もあり、臨床(クリニカル)の現場で、

 アートセラピーを求められることが増えています。

 ホスピス、就労支援施設、高齢者施設、不登校、ダウン症児、

 ストリートチルドレン(海外)、そして災害支援活動に、などなど。


 自分を活かし、アートで心のケアをしていきたい夢をお持ちの方は、

 是非、株式会社クエスト総合研究所のホームページを覗いてみてください。




 ● 危機管理としてのアートセラピー
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 河合隼雄先生は、

「小説やファンタジー以上に、不思議で不可解な事が、現実世界に起きている」

 と、その著作で書いています。

 確かに、昨今の大雨、台風、大地震、

 それに伴う土砂崩れや川の氾濫、都市部の水没など、

 小説ではかえって嘘っぽくなってしまうようなことが次々に起きています。

 そんな危機を乗り越えるには、自分の内側に在る自己治癒力を引き出してくれる、

 臨床セラピストが必要だと、河合さんは伝えています。

 
 人々の内にある力を引き出すことができる仕事は、

 自分を活かす仕事と言えるのではないでしょうか?

 日本にこれだけ続く災害にも、かならず「その後の復旧」という段階が訪れます。

 そして、その復旧には、「心の回復」という実はとても重要な段階があるのです。


 心のケアは一朝一夕にはできません。

 大切な人生の学びの一つとして身に着けておく価値のあるものです。

 アートに興味があって、そのアートを使ってサポートに役立てたい方には最適です。

 新しい自分に出会う一歩、

 そして、誰かのために自分を活かす一歩を、どうぞ踏み出してみませんか。


2018/9/7 柴崎嘉寿隆

2018年8月


  猛暑お見舞い申し上げます。

  クエストの柴崎です。

  私は今、北海道の士幌高原にいます。

  今年で29回目(29年目)になる、子どものための自立支援

 「グロースセミナー」です。

  これだけ長く続けていられるのは、多くのボランティアや、

  参加する子供たちの保護者の皆さんの熱いサポートがあるからなのですが、

  今日は、そのことについてお話しさせていただきます。


 

 ● 自分で決める
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 この「グロースセミナー」は、小中学生が対象です。


 自分で決めること

 自分で行動すること

 自分でほしい結果を創りだすこと


 この3つのことを、ただひたすら練習していく野外体験学習です。


 小中学生は、自立を促されたとしても、

 多くの場合、親や先生の決めたことに「従う」ことを求められます。

 自分で決めなさい、と言われても、

 家庭の都合や、学校のルールが優先されるのです。

 それは当然のこととはいえ、なんとなく矛盾がそこにあるわけです。


 これは実は子供だけの話ではありませんね。

 大人の私たちだって、自分で決めると言っても、

 最後は会社のルールや世間の常識を選ぶことの方が多いのではないでしょうか?



 
 ● 自分の意志と、世間のルール
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 グロースセミナーでは、自分で決めることの後に、

 もう一つ大事なことが待っています。


 20人ほどのグループですから、自分で決めたことを実行するには、

 全員が同意しなければなりません。

 いえ、同意と言うよりも、それぞれが自分で決めたことを、

 全員と整合する必要が出てくるのです。


 マウンテンバイクに乗る!

 そう決めたとしても、実習ですから、やるのであれば全員でやることになります。

 「ボクは怖いからやりたくない」と言う子供がいます。

 現実社会でも、自分がいくらやりたくても、

 周りが動いてくれないことはいくらでもあります。


 そこで、葛藤が生まれます。

 思うように行かないこと、想い通りにならないこと、

 誰かが決めたことに本当は従いたくないこと、

 などなど。

 そこで、私たちは、コミュニケーションの大切さを学ぶわけです。



 
 ● 子どもの社会
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 マウンテンバイクに乗りたい子どもは、どうしても乗りたい。

 乗りたくない子どもは、とにかく怖いからいやだと言います。

 グロースセミナーでは、じゃんけんも多数決も禁止。

 話し合って、言い合いをして、時には険悪なムードになって、ジグザグと進みます。


 そんなときの私の役割は、ただひたすら言い分を聞いたうえで、

 「本当はどうしたいのか?」を問いかけることです。


 例えば怖くて乗りたくない子どもはよく聞いてみると、

 「本当は乗ってみたいけど、5キロもある下り坂を降りる自信がないし怖いのだ」

    と言う声が聞こえてきます。

 ということは、乗りたくないと言っている子どもの課題は、

   自分の本当の気持ちに気づいてなかったということになります。


  そして気づいたら、

  そのしたいと思っている気持ちを満足させてあげることが新たな課題となるのです。。




 ● したいことをする
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 自分のしたいことを実践するのは、簡単なことではありません。

 それができるなら、願望実現の可能性は一気に高まるでしょう。

 でも、せめて、「自分の本当の気持ち」に気づいてあげられるといいですよね。


 そして、そのしたい気持ちによりそって、一歩でも踏み出すことができたとしたら、

   それこそが、ユングの言う自己実現への一歩です。

 必ずしも、思い通りの結果をつくることが目的ではありません。

 そこに向かうプロセスで、子どもたちの、そして私たちの心は成長するのです。


 自分で決めて、自分で行動して、ほしい結果を創りだしていく。

   そしてそれがどんな結果であっても、

   それを創りだした自分を認めてあげることが成長には欠かせません。


 あと数日、子どもたちと共に、この成長のためのプログラムを体験していきます。

 皆さんも、明日一日だけでも、

 自分で決めて、自分で行動して、自分でほしい結果を創る、

   このプロセスを生きてみてはどうでしょうか?


 2018/8/3 柴崎嘉寿隆

2018年7月


 あっという間に梅雨明けでした。

 クエストの柴崎です。

 昨日今日は、少々梅雨めいた気候ではありますが、

   週が明ければまた夏日が続きそうです。

 季節の変わり目を、古来、24の節季(にじゅうしせっき)に分けています。

 さらにそれを72の候(しちじゅうにこう)にふりわけて、

 それぞれの趣深い名前が付けられています。

 いちばん日が長く、いちばん夜が短くなる「夏至」を過ぎ、

 明日からは「小暑」。

 72候は、「温風至(あつかぜいたる)」

 そろそろ、セミが鳴き始める ”本格的 ”な 夏の時期です。


 さて、みなさんの今年は、いよいよ「本格的に・・・・・・」、

 何がはじまりそうですか?
 
 


 ● 決めた事
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 2018年、平成30年を始めるにあたって、

 誓いを立てた方も多いのではないでしょうか?

 人生の大きな決断や、小さなものまで。

 フィジカル面で決めた人もいるでしょうし、

 メンタル面の事を決めた方もいたかもしれません。

 丁度、一年の半分が過ぎました。

 進捗状況はどうでしょうか?

 大半の人は、すっかり忘れていたり、方向転換をしたり、

 或いはあきらめてしまった人も。

 でも、一部の方は、それをやり遂げたり、遂行中だったり。

 同じ「時間」を使って生きていても、

 それぞれに刻まれていくものは違いますね。

 でも、やり続ける人と、やめてしまう人の違いは何なのでしょうか?
 
 きょうは、「決める力」についての考察を。




 ● 決めるという事
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 何かを決める時に、大事な事があります。

 当たり前のことですから、ご存知の方もいるかもしれませんが。

 「もう絶対にタバコを吸わない!」

 「深酒は二度としない!」

 「もう二度と騙されない!

 これ、実は決めた事にはなりません。


 どんなに強い口調で言ったとしても。


 何故だかわかりますか?



 「決める」というエネルギーは、「~しない」などという言い回し、

 いわば否定的な言葉には効果を発しないのです。

 「~しない」と宣言しても、その瞬間にイメージしているのは、

 「それをしているときの自分」ではないですか?


 「絶対にタバコを吸わない」と言っているときは、

 吸っている自分をイメージしています。

 「深酒はしない!」と言っているときは、

 飲んでしまっている自分をイメージしてしまうのです。


 人間はイメージした事しか実現していないのだ、と

 結論付ける人もいるほどです。



 
 ● 決めるなら肯定的に
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 それでは、どう言いかえればよいのでしょうか?

 とてもシンプルです。

 「タバコを吸う事を今後一切、やめる!」

 「深酒することを金輪際、やめる!」

 これで、「決める力」は発揮されます。

 今年の後半に向けて、ぜひ、この「決める力」を発揮させて見て下さいね。


 2018/07/06 柴崎嘉寿隆

 

2018年6月


 いよいよ梅雨。
 
 あまり好きではない季節ですが、雨がもたらす恵みは貴重です。

 雨降って地固まる、と言いますが、

  世の中を驚かすような出来事は相変わらず次から次に現れます。

 最近感じることは、信頼と責任。

 きょうはそのことについて。
 



 ● 信頼や信用、そして自信
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 信頼や信用を得るにはどうしたらいいでしょうか?

 例えば約束事であれば、

 きちんきちんと守っていれば信用、信頼は得られますね。

 いいかええれば、約束を破れば、

  信用信頼は地に落ちるわけです。

 自信はどうでしょうか?

 自分への信用、自分への信頼。

 これもやはり、自分との約束を

  きちんきちんと守ってさえいれば、

 基本的な自信は手に入ります。

 破れば、あっという間に自信はなくなります。

  
 

 ● 二つの責任
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 責任は2種類あります。


 一つは、反応責任。

 英語では responsibility。

 つまり出来事などに反応するということ。

 責任ある立場の人は、関連する出来事が起きたら、

 即座に反応します。

 どこぞの、監督やコーチ、顔を見せない理事長は、

 その責任の立場を全うしていないことになるわけです。


 もう一つは、説明責任。

 英語では accountability。

 出来事に対し、

 それを自分が創り出しているという立場を明確にします。

 会社組織で何か失態を演じたら、

 その責任ある立場の人が説明します。
 
 そして、その状況を創りだした源であることの責任の立場を

 明確にするのです。



 
 ● だから信頼
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 どこかの国の代表が、個人的な友人に便宜を図ったり、

 独裁的な立場に立って、組織を恐怖でコントロールしたり、

 部下のやったことだから、自分は知らないとうそぶいたり、

 あいつのせい、こいつのせい、と、責任をなすりつけたり、、、

 今の日本には、子どもたちにとってあこがれるモデルとなる

  大人が見えなくなっているような気がします。

 私たちの人間関係は、信頼に基づいて創られているはずです。

 でも、こんな状況じゃぁ、子どもたちに信頼や信用を

 どの様に教えればいいのでしょうか?

 だから、あらためて、自分に置き換えてみなければなりません。

 自分は自分に対して、そして自分の人生に対して、

 責任ある立場に立っているかどうか。

 自分に約束して、それを守って、自信をもって

  生きていきたいものですね。


 2018年6月8日 柴崎嘉寿隆
 

2018年5月


 

 夏日が訪れるようなゴールデンウィークですね。

 

 今頃、皆さんはどのようにこの連休を楽しんでいらっしゃいますか?

 

 春の陽気に誘われて、気持ちがアップするのですが、

 

 反対に気分が揺れて落ち込んでしまう人たちもいます。

 

 いわゆる五月病。

 

 経験のある方もいるかもしれませんね。

 

 五月に限らず、気分が落ち込んでしまった時の対処法を今日のテーマにします。

 

 

 

 ● 五月病って?

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 そもそも、五月病とは、

 

 新しい環境にうまく適応できないことによって起きる

 

 うつ症状のような状態になることを言います。

 

 

 新しい環境の中に入るのは、何も五月だけに限りません。

 

 新しい職場、新しいサークル、新しいクラス、新しい学び、、、、

 

 そこにあなた以外の人たちがいる環境で、少々混乱が起きてしまうのです。

 

 心療内科に行くと、適応障害とか軽鬱とかいう診断をもらうかもしれません。

 

 

 この適応できない状態とは、

 

 言ってみれば人との距離感の作り方がうまくいっていないという事です。

 

 

 

 

 ● 人との距離感

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 それでは、人との距離感を学ぶのは一体いつ頃なのかというと、

 

 それはいわゆる反抗期です。

 

 

 良く知られているのは、第一次反抗期と、第二次反抗期。

 

 子どもの頃の、自分と周りの子どもや社会との関わりで、

 

 上手に学習すれば、五月病などの症状に苦しむことはないと言われています。

 

 

 それでは反抗期とはどんなものなのかというと、

 

 与えられた安全で安心な環境から、その環境が脅かされる状態への移行期です。

 

 第1次であれば、ずっとママと一緒だった環境から、

 

 保育園や幼稚園と言ったママから離れなければならない環境へ。

 

 第2次であれば、子どものままでいて良かった環境から、

 

 自立を求められる環境へ移行して、

 

 自分で決めたり選んだりする責任が発生する頃です。

 

 

 これは専門的に言うと、

 

 母子一体感覚から、母子分離感覚への移行というものです。

 

 

 

 

 ● 依存から自立へ

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 母子一体感覚は、いわゆる依存状態です。

 

 その状態から、私たちは、自立へと移行するのですが、

 

 心理的自立は目には見えないため自覚ができません。

 

 

 心理的自立、精神的自立は、周囲の環境をいくら整えたとしても、

 

 簡単にはなしえません。

 

 心理的自立のためには、じっくりと自分を見つめていかなければならないのです。

 

 外側の環境に適応することばかり気になって、

 

 つい自分の内面との適応がおろそかになります。

 

 

 自分の気持ちに寄り添い、自分の思いを大切にする。

 

 自分と一緒にいてあげる。

 

 

 こういった、一見何の役にも立たないように思えることが実はとても重要です。

 

 社会に適応した自分を創るのではなく、

 

 自分として生きる自分づくりが必要だと言えるのです。

 

 

 生涯ついて回るのが、「自分」と言う存在ですからね。


2018/5/2 柴崎嘉寿隆


2018年4月


春の天候が荒れることは、例年の事ですが、夏日を経験するとは驚きでした。

 

目黒川の桜も一気に満開となり、あっという間に散っていきました。

 

花筏を楽しむ間もなく、川沿いの散歩道は、人もまばらになりました。

 

ゆっくりと、穏やかに季節が移り変わるといった風情は、今年はなさそうですね。

 

 

 

 

 ● マインドフルネス

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 最近、「マインドフルネス」という言葉をよく耳にするようになりました。

 

 きっかけは、アメリカの大手IT企業Google社の研修プログラムでした。

 

 マインドフルネスの要素は、

 

 日本人にはなじみのある瞑想法や呼吸法を取り入れたものですが、

 

 それを科学的な言葉に置き換えて「サーチ・インサイド・ユアセルフ」という

 

 プログラムになりました。

 

 創始者のメン・タン氏は、そのインタビューで、

 

 「このプログラムの目的は世界平和のための条件をそろえる事」と言っています。

 

 でもそれだけではお題目を唱えるだけで、世の中から同意はされても共感が伴わない。

 

 そこで、ビジネスでの「成功と利益」を結び付けたとコメントしています。

 

 

 

 

 ● 大切な4つのポイント

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 このプログラムを普及するためにメン・タン氏が大切にしたポイントは、

 

 誰でも役立つことかもしれません。

 

 

 一つ目が、誰にでもわかるような一般的な言葉遣い。

 

 専門分野に通じていると、つい専門的な言葉を使いがちですからね。

 

 

 二つ目が、科学的な解説。

 

 たとえば、呼吸法をするといい。瞑想がいい。

 

 だけではなく、脳にどのような刺激が与えられ、

 

 その結果どんなことが期待されるのか。

 

 情緒的に伝えるのではなく、ビジネスの中できちんと思考的な解説が出来る事。

 

 

 三つ目は多様性。

 

 いつでもどこでも実践が可能であること。たとえば会議中でも、通勤中でも。

 

 

 そして四つ目が、最適な実践法。

 

 面倒な修行や訓練が必要ではないことが伝われば、

 

 誰でも取り組みやすくなりますからね。

 

 

 

 

 ● ここから学ぶ

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 クエストはアートセラピーの学校です。

 

 アートセラピーは、まだまだ世間の認知は低く、

 

 それもしかたのない事と捉える向きもありますが、

 

 この4つのポイントへの努力はまだまだ十分とは言えません。

 

 アートセラピーに限らず、

 

 自分のやっていることがなかなか人には伝わりにくいという人たちにとって、

 

 参考になる考え方と言えるでしょう。

 

 

 桜の季節が終わり、24節季では清明。

 

 すがすがしく明るく美しい、そんな季節を楽しみましょう。


 2018/4/6 柴崎嘉寿隆


2018年3月


 

 春の気配が感じられます。

 

 この冬は豪雪、強風、など、

 

 やはり例年とは違う天候に苦しんだ地域の方が多いですね。

 

 それでも、平昌オリンピックのアスリートたちに、

 

 たくさんの夢と勇気を受け取りました。

 

 

 そしてもうすぐ、パラリンピックも始まります。

 

 私たちの友人でもある上原大祐さんが、アイスホッケーで出場予定です。

 

 彼はバンクーバーで銀メダルを取っていますから、

 

 平昌では金メダルを狙っているに違いありません。

 

 楽しみです。

 

 

 さて、週が明ければ啓蟄。

 

 土の中から虫たちが出てきます。

 

 

 

 ● 浚渫

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 例年、2月から3月にかけて、目黒川では浚渫(しゅんせつ)工事が始まります。

 

 簡単に言えば、川底のヘドロや泥の掃除です。

 

 宇宙服のようなヘルメットを被った潜水士をよく見かけます。

 

 わずか1年で堆積した、川底には大変な量の土砂が運ばれてきます。

 

 川底が浅くなってしまうと、川の流れが悪くなります。

 

 目黒川は、大雨の時にはサイレンが鳴る程に増水しますから、

 

 この浚渫工事は欠かせませんね。

 

 

 

 ● 心の中も

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 私たちの心の中も同じかもしれません。

 

 社会の中で生きているうちに、周りからの影響を受けて、

 

 必要のない考えや、欲しくない情報が流れ込んできます。

 

 時折立ち止まって、自分自身を見つめておかないと、

 

 知らないうちに心がどこかに置き去りにされてしまいそうです。

 

 インドの瞑想家でヨガの指導者でもあった、

 

 シュリ・チンモイさんという方がいました。

 

 随分前ですが、何度か、日本にあるシュリ・チンモイ瞑想センターを

 

 訪れたことがあります。

 

 面白い瞑想法を指導されましたが、心に強く残っている言葉があります。

 

 

 「 朝、テレビを観ないこと。流れてくるニュースのほとんどは

  

  怒りや悲しみに溢れている。それを観て、私たちの心は影響を受け、

 

  その影響された心で仕事に向かうことになる。

 

  だから、朝は、瞑想して出かける事がいちばんである」 と。

 

 

 

 ● 影響

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 瞑想家が言うのですから、

 

 私たちの心がどれだけ周りからの影響を受けやすいのかがわかります。

 

 自分を保ち、自分として生きるためには、

 

 やはり、内面を見つめる事が大切ですね。

 

 アートは、上手に描く事ではなく、自由な線を描いているだけで、

 

 心のエネルギーが外に放出されていきます。

 

 ギザギザ線を強く描いているのなら、

 

 こころのいら立ちや怒りが外に放出されて行っています。

 

 小さく弱々しい線であれば、

 

 居心地の悪いあるいは惨めな気持ちが外へ外へと押し出されているのでしょう。

 

 現れた色や線には、その瞬間の心が表れています。

 

 心が「見える化」することで、アートはセラピーになりえるのです。

 

 1年間の心の中の堆積したエネルギーを、

 

 きれいにお掃除してあげるのもいいかもしれません。


 

 2018/3/2 柴崎嘉寿隆


2018年2月


 立春が過ぎました。

 

 とはいえ、福井県での豪雪などの報道を見ると、

 

 冬はまだ当分立ち去らないように感じます。

 

 

 それでも季節は必ず移り行くわけですから、

 

 いまはただ、雪の下に眠るふきのとうのように

 

 じっと、春を待つしかありませんね。

 

 

 「春」という漢字は、

 

 「陽光と関係のある文字で、動く、かがやくの意を持つ語であろうと思われる」

 

  * 参照「字統」白川静

 

 太陽暦では元日が年の初めではありますが、

 

 太陽太陰歴では、冬が終わり春が始まる日が年のはじめ。

 

 

 みなさんはどんな一年をスタートさせましたか?

 

 

 

 

 ● 自分磨き

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 2018年に入り、どんな一年を描いているでしょうか?

 

 神社仏閣で初参りを済ませた人も多いでしょう。

 

 クエストでは、毎年立春の頃に、成田山新勝寺にお参りに行きます。

 

 実は私が護摩焚きを見るのが好きで、何となく毎年の習慣になりました。

 

 大僧正が焚く護摩火が火の粉を散らしながら燃える様子は、

 

 天に駆け上がる龍のようにも見えることがあります。

 

 護摩火の由来は、その火によって天に供物を届けることだそうです。

 

 天はそれと引き換えに人に福を与える。

 

 炎によってお互いに与えあうための道が開かれるということでしょうか。

 

 

 

 

 ● 平昌五輪

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 冬のオリンピックが始まります。

 

 世界平和の祭典の始まりです。

 

 聖火が灯され、その炎がお互いを認め合う象徴として燃え続けます。

 

 今年は、北朝鮮の参加もあり、

 

 あらためて世界の平和について考えるきっかけになりました。

 

 世界が同じ思想になることはないのでしょうが、これを機会に

 

 お互いを尊重し合うことを考えるのは大切な事です。

 

 

 ダイバーシティと言う言葉がだいぶ知れ渡ってきました。

 

 多様性を意味するこの言葉は、

 

 主に働く場での人種、性別、年齢、信仰にこだわらず

 

 人材を活かしていくことに使われているようです。

 

 その国の文化や伝統によって作られた価値観は、簡単には変えられません。

 

 だからこそ、その価値観を否定したり批判しあうのではなく、

 

 どれだけ認め合えるのか。

 

 これは、国と国だけの問題ではなく、

 

 私たちと家族や職場の誰かとの関係においても全く同じです。

 

 

 

 ● 自分づくり

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 かといって、尊重することと、同化することは違います。

 

 日本は、戦後アメリカを模倣し、

 

 様々な文化を上手に取り入れて日本流を築き上げてきました。

 

 そのことで日本らしさが失われてしまったこともあるでしょうが、

 

 全く新しい文化を創りだしてもきました。

 

 私たち個人も、人のまねをして成長していきますが、結局「誰か」にはなれません。

 

 自分づくりは、人生において最重要と言われる課題です。

 

 30代40代になったら、自分と向き合う時間をきちんと作ることが、

 

 中高年を上手に生きる秘訣だと信じています。

 

 どう生きればよいのか、どう在ればよいのか、その正解はありません。

 

 答えのない問いかけだからこそ、面倒になってやらない人もいれば、

 

 真剣に取り組んでいく人もいます。

 

 そしてその小さな違いは、5年10年経過した未来に

 

 はっきりとした違いとなって現れるのです。

 

 

 さぁ、一年の始まりを迎えた今、どんな一歩を踏み出しますか?


  2018/2/5 柴崎嘉寿隆


2018年1月


 新年 明けましておめでとうございます。

 

 みなさんにとって、2018年はどんな始まりでしたか?

 

 戊の戌(つちのえのいぬ)

 

 「戊は茂に通ず」、と言われ、繁栄をイメージさせる年ともいわれます。

 

 肚を決めて、新しい一年に臨みたいものですね。

 

 

 ● 描く

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 新しい一年のノートには、自由にプランを書き込むことができます。

 

 飛躍し発展する自分を描いて、その道のりをプランしていくのはワクワクするものです。

 

 反対に、もしもうまくいかなかったらとか、そのプランには実現性がないとか、

 

  否定的な考えもよぎるかもしれません。

 

 まだだれも生きたことがない2018年は、誰にとってもチャンスと希望にあふれているのです。

 

 スタート段階の今だから、「好きなように描ける自由」があります。

 

 きょうは、この「自由」についてのひとことを。、

 

 

 

 ● 自由

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 「自由な時間が欲しい」

 「自由になりたい」

 「好きなことを好きなようにやりたい」

 「好きなように仕事をさせてほしい」

 

 何かから自由になりたい、と思っている人はたくさんいます。

 

 その「何か」はいったい何なのでしょうか?

 

 配偶者?

 家族?

 親?

 仕事?

 人間関係?

 社会?・・・・・・・・・・・・

 

 

 自由とは何か?を考え始めると、なかなか難しいテーマであることが見えてきます。 

 

  クエストのクラスでも、「自由画」と言うテーマが、一番ハードルが高いという受講生もいます。

 

 初めてクラスに参加する方は、自由にと言われて「何を描いていいのか」困惑してしまう事があります。

 

 何かしらのテーマがあれば、そのテーマに沿って「自由に描く」ことのハードルも低くなります。

 

 どうやら、私たちにとっての自由は、何かしらの枠組みや、

 

  ある程度の制限があることが必要なのかもしれません。

 

 「自由」とは、どうやらあまり自由ではない場合もありますね。

 

 以前、何かの本に紹介されていた、哲学者ルソーの言葉を思い出します。 

 

 

 ● 好きなことを好きなように

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 ルソーはこう記しています。

 

 「わたしは、人間の自由と言うものは、その欲するところを行うことにあるなどと、

 

   考えたことは決してない」

 

 どういうことだか伝わりますか?

 

 つまり、好きなことを好きな時に、好きなように行う、なんて言うことを、

 

  自由とは言わないのだ、と言っているのです。

 

 好きなように生きたい、

 好きなことができる様になりたい

 好きなように・・・・・

 

 それが自由でないのであれば、いったい自由とは何なのでしょうか?

 

 ルソーはこう結びます。

 

 「それは、欲しないことは決して行わないことにある」

 

 どうですか?

 

 NOを言えるかどうか、という事にその鍵があるようです。

 

 ただし、したくないからしないと言ったわがままとは違います。

 

 あくまでも、自分の信念があって、その信念に反することは行わないこと。

 

 それこそが自由である、と言っているのです。

 

 

 ● 立場

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 おそらくこれは、当時のヨーロッパにおいて、「人間の平等」を伝え続けた

 

  ルソーだからこそ言えた言葉なのかもしれません。

 

 自由を求めていたのは、「奴隷」の立場にいる者たちだったのです。

 

 でも、現代の私たちも、自分の意志に反して「ねばならないこと」を強いられている人は

 

  たくさんいるのではないでしょうか?

 

 仕事だから仕方がない

 嫌われたくないから我慢しよう

 それが世間の常識だから従おう

 自分らしく生きたいけれど、人と違う生き方も居心地が悪い

 

 こういった、束縛のなかで、真の自分の意志を見つけ、自分に正直でい続けることは、

 

  とても難しいことかもしれません。

 

 自由に生きる、ということは、自分の信念が何かを改めて知るうえで、

  

  とても重要になってくるのです。 

 

 

 

 ● 2018年を、自由に生きる

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 自由と信念についてお話してきました。

 

 さぁ、いよいよスタートです。

 

 自信とは、自分を信じると書きます。

 

 それでは、自分の何を信じればよいのでしょうか? 

 

 それは、あなた自身の心に問いかけてみてください。

 

 何かや誰かを信じるのではなく、自分と言う存在を、

 

  そして自分の心の声に耳を傾けてあげるのです。

 

 

 今年一年が、皆様にとって素敵な一年でありますように、心からお祈り申し上げます。

  

   2018/1/8 柴崎嘉寿隆